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占い師としての成長日記
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夏休みに入ったので、できるだけ普段はできないことをしたり、普段遊べない人たちと約束したりしようと動いています。そのうちの重要な部分を占めているのが、息子の幼稚園時代の友達です。


息子は三月生まれだったので、幼稚園に入るときは「とにかく融通が利く」「軍隊のような幼稚園は駄目」という部分で幼稚園を決めました。
決めた幼稚園は家のすぐ近くで、キリスト教系の幼稚園で、歴史があり、とても評判がいい幼稚園でした。入園前に遊んでいたお友達が「Hくん(息子の名前)には絶対あの幼稚園がいいよ。すごく合っていると思うよ。」と勧めてくれました。勧めてくれた友達は一番上の息子さんをその幼稚園に入園させていたのです。親子ともにとてもいい幼稚園時代を過ごさせて貰ったこと、園長先生の教育者としての姿勢や想いのことをよく教えてもらいました。ただ、そのお友達は、残念ながら入園前に引っ越してしまったのですが・・・。息子と下の娘さんは一緒に入園することができず、離れ離れになってしまいました。私をその幼稚園に導いてくださった方は、本当にとてもいいお母さんで、いつもニコニコしている心の優しい方でした。そんなお母さんが勧める幼稚園なら・・・間違いはないだろうと思って決めたのですね。


しかし、その幼稚園に入ってから、私の中でいろんな悩みが一気に吹き出ました。子供のことでいっぱいいっぱいになり、悩みで終わりそうになりました。なぜこの幼稚園がおススメなのか、なぜこの幼稚園が評判のいい幼稚園であるのか、理由がわからなくなってきました。転園も考えて、他の幼稚園の説明会にも出たことがあるくらいです。


現在の幼稚園事情とはちょっと時代遅れ?的な部分があったかもしれませんね。月曜日と金曜日は午前保育のみ(これは年長になってもそうでした)。火曜日から木曜日まではお弁当持参。給食はないです。夏休みなどは預かり保育などもなく、徒歩通学が基本。園バスはありません。必ず保護者は幼稚園に行かねばなりません。
行事の保護者の手伝いは、義務ではないにせよ、ほとんどのお母さんが手伝いに入ります。
月に一度の誕生日会のときは、その誕生日月のお母さんたちが手作りのおやつを作ってあげます。ちなみに三月は蒸しパンで、私は三年間蒸しパンを作りました。自分のお子さんが三月生まれでなくても、いろんなお母さんが手伝いに入ってくれました。蒸しパンの準備も用意も全部保護者が話し合って決めます。まさに煩わしいの極致にあるといっていいかもしれません。特に下に子供を抱えたお母さんが、こういった作業にも参加したりするのは大変です。妊婦さんだっています。人間関係が苦手なお母さんだっていると思います(私ですが)。そんな人は話し合いだの、準備だのでいつも幼稚園に行くのはすごく苦痛かもしれません。


園バスが迎えに来て、親が幼稚園に出向くこともほとんどない、給食がでて、園に体操教室や英語教室、スイミングスクールと提携があるといういわゆる今時の幼稚園とは、まったく正反対の幼稚園です。


毎日園で顔を合わせていれば、おのずといろんなお母さんがいることがわかります。子供の成長やそれぞれの性質も、見たくなくても見えてしまったりします。三月生まれでちっとも幼稚園になじめない甘えん坊息子のこと。生活レベルの違い。格差。うまくお母さんたちの輪に入れない自分。そんなものを送迎の一日二回見ていれば、幼稚園が苦痛になり、行事のたびに落ち込むような状態になってしまいます。


月曜日と金曜日が、11:30で幼稚園が終わってしまうというのも、すごく苦痛でした。そうなると「誰と遊ぶ」ということになるし、誘った、誘わない。そんな繊細なつきあい方がとても難しく、それが週に二日もあるのです。


でも・・・なぜ月曜日と金曜日が午前保育なのか。
子供は週末の疲れを月曜日に残しているし、金曜日は週の遊び疲れが出やすいからです。園で過ごすよりも、親と一緒に今この時をゆっくり過ごしてほしい、そんな想いが保育時間の短さに現れています。


私が苦手だった徒歩の送迎は、幼稚園の空気や先生たちと仲良くなってほしいという幼稚園側の想いであり、送迎をすれば、他の子供やお母さんたちとの交流も増え、いろんなことを学ぶことになります。自分の子供だけではなく、他の子の成長も三年間、つぶさにみることができます。
皮肉にも、在園している間、私はその利点に気づかないままでした。息子の追いつかない部分ばかりが目に入っていたせいです。息子は私を見ると飛びついてきてずっと抱っこです。そんな男の子は一人もいません(苦笑)。みんな園庭で遊びまわっています。めげました。何度も・・・。


なぜこの幼稚園がすばらしいといわれるのかわからない。何もないじゃないか。園庭は猫の額よりも狭く(都心ですから仕方ないです)特別な何かがあるわけではない。手間ばっかりかけて、母親が大変なだけじゃないか。人間関係が濃くて、失敗したら大変じゃないか。親がいろいろしなければ行事が回っていかないなんておかしいじゃないか。


この幼稚園はとにかく「手がかかる」のです。幼稚園に入れたからラクだったということは一回もなかった。心悩ます日々、親同士の絡み合いで悩む日々、子供の成長を比べて落ち込む日々。


でも、私が幼稚園の行事を手伝っている姿を見る息子の顔はとびっきり嬉しそうでした。何度も何度も私の顔を見ては手を降り、ニコニコしてくれました。蒸しパンをかじりつきながら、彼は安心して教室の中で座っていたのです。そして、他のお母さんたちが「Hくんはしっかりしてきたね」
「あの時は大変だったよね」「三月生まれだけど、一年生になっても大丈夫よ」って、それこそ恵みの雨のように、たくさんの励ましを受けました。毎日顔を合わせるということは、成長もまた同時に味わえるということだったんです。自分の子供だけではなく、他の子供たちの成長もまた一緒に祝うことができる。それは、母親としての成長でもあるのです。私の至らない部分や深い劣等感を埋めてくれるかのように、多くのお母さんたちが息子を温かいまなざしで見つめてくれました。


残念ながら、息子はみんなと一緒の小学校に通うことができず、一人別天地での小学校の入学でした。
どんなに心細かったことでしょう。


その小学校の入学式で幼稚園から祝電が、たったひとりの息子のためにわざわざ届けられていました。「こころをつよくしていなさい」という聖書の一節が祝電に書かれていました。この言葉で孤独だった息子の気持ちがどれほど救われたか。幼稚園のきめの細やかさを強く感じました。そしてその愛情溢れる保育の中で三年をすごした彼ならば、どんな環境でも耐え抜く力があるのだと、確信できました。


娘は保育園に入っています。息子の幼稚園とは180度違う世界で、お母さんたちとのややこしい関わりも、園の手伝いもまったくありませんし、見えないから成長の違いに悩むこともないのです。でも、あと何ヶ月か後にせまった娘の卒園式で、私は幼稚園と同じようにあらゆる思いに身がつまされて泣くことはできないでしょう。手をかけていないからかもしれません(ごめんね)。手をかけるということは、手間をかけるということ。そしてその間は苦労や悩みがつきまとっても、それだけ得るものは大きく、子供にとっても親にとっても、一生の宝となるのです。


小学校二年生になった息子。
そして私にとっての大切なママ友達は、幼稚園時代の友達です。まさか自分が人間関係を築けるとは夢にも思っていませんでしたが、濃い人間関係を泳ぐうち、自分にとって大事なものを共有できるもの、「類は友を呼ぶ」との諺のとおり、私にとってはもう一つ、育児という青春時代を送った戦友を幼稚園時代で得ることができました。


幼稚園バスのつきあいだったら、ここまでできなかったでしょうね。


卒業して初めて、「あの幼稚園でよかった」と思えるものをいっぱいいただきました。息子は新天地で、陰に隠れることなく、自分らしくマイペースに集団の中で生活できています。たまに幼稚園時代の友達に会うと、環境の違いなどまったく関係なく、違和感なく遊びます。彼にとってもまた、心の幼馴染なんでしょうね。「僕には心の安全基地がある。距離が離れていても、大好きな友達が僕にはいる。」そんな想いが彼の強さになっていると思うのです。それは、私にも言えることでした。


幼稚園を通して感じたものは、煩わしく、苦悩をともなう環境は、実はすごくありがたいものなのだということ。
私は自分が母として立ち向かった幼稚園時代の苦悩を一生忘れることはないと思います。ホントに、あの頃は暗い顔をしていて、月曜日と金曜日が大嫌いだった(苦笑)。でも、母親たちに手をかけさせたあの幼稚園でよかったと、自分をあの環境に導いてくれた出会いに感謝です。幼稚園は少子化が進み、経営が大変かもしれませんが、時代遅れだと笑われてもいいから、愛のある保育を貫いてほしいですね。


働いているので保育園の力を借りざるを得ないのですが、娘には息子ほど手をかけてあげていないので、それが私の心残りです。だからせめて、私だけでも彼女の心の基地になってあげないといけないな・・・って。


先日、幼稚園のお友達と遊ぶ機会が続きました。あのときの人間関係の苦悩が嘘のように、私にとってとてもかけがえないものをいただける関係ができました。そしてこれは、私にとって一生続いていく「基盤」になるのでしょう。いっぱい泣いて、いっぱい苦しんで・・・あの濃密な三年間はもう二度と来ません。
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志我雨音(しがあまね)
性別:
女性
職業:
占い師・レイキヒーラー・主婦
趣味:
ゆっくりとひとりカフェ♪
自己紹介:
日記をただつれづれなるままに書くだけでなく、自分にも、皆さんにも何かを感じていただけるような文章を作り上げたいと思います。
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