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占い師としての成長日記
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皆さんは「かさこじぞう」の昔話をご存知ですか?
誰もが必ず聞いたことのあるストーリーかもしれませんが、概略はこんなお話です。


昔あるところに貧しい生活を送っているおじいさんとおばあさんがいました。年の瀬も押し迫ったというのに、お金もなく、年を越すための食べるものもありません。困った二人は、夏の間に収穫しておいた「すげ」を使ってすげ笠を5つこさえ、おじいさんがそれを売ってくることになりました。しかし、町はみんなお正月の支度をする人でにぎわっているものの、おじいさんのすげ笠を買ってくれる人は誰一人いませんでした。
おじいさんはおばあさんにすげ笠を売っておもちを買って帰る約束をしていたのですが、売れなければどうしようもありません。おじいさんはとぼとぼと雪道を歩いて帰り始めました。
その途中、雪をかぶったお地蔵さんを見つけました。お地蔵さんは吹きっさらしの野原で、半分顔が雪で埋もれた状態です。お地蔵さんの頭の上には雪除けもありません。それを見たおじいさんは、お地蔵さんの頭の上にある雪を払い、売れ残ったすげ笠をお地蔵さんにかぶせてあげました。お地蔵さんは全部で6体。笠は5つでしたので、おじいさんは自分がかぶっていた手ぬぐいを最後のお地蔵さんにかぶせてあげました。
そして家に帰るとおばあさんにすげ笠をお地蔵さんにかぶせてきたことを話します。おばあさんは「それはよいことをなさった」と言ってねぎらい、おじいさんの冷えた体をいろりで温めるように勧めました。二人はいろりを囲みながら「おもちは買えなかったけれど、ふたりでもちつきの真似事でもしようか」といって、二人でお餅つきの真似をして、そのまま休みました。
その夜、外でそりを引く掛け声がするではありませんか。その掛け声はおじいさんとおばあさんの家の前で止まりました。そしてなにやら重いものをたくさん下ろしていくと、帰っていったのです。おじいさんとおばあさんが起きて外を見てみると、それは空ぞりを引いて帰る六人のお地蔵様でした。
お地蔵さんは米や餅や味噌、お飾りや野菜などを置いていってくれたのです。おかげでおじいさんとおばあさんは良い正月を迎えることができたというお話です。


というお話を息子が音読の宿題で読んでくれているので、ついお話のよさにほろりと来てしまいました。感動ポイントはおじいさんが笠をかぶせてあげたところかもしれませんが、そこも確かにいいんですが、おばあさんがすげ笠が売れずに帰ってきてもおじいさんを責めたりしなかったこと。ましてや生活の糧になるかもしれないすげ笠をお地蔵さんにかぶせてきたんですから、「何やってるのよ!すげ笠はまた売れるかもしれないじゃない!」とおじいさんを責めてもおかしくはないのです。もちろん昔話の感動ポイントで夫婦ケンカになったら、ストーリーは壊れてしまうかもしれませんが・・・。大事なことは「それはいいことをなさった。お地蔵様もさぞ寒かっただろう。さあ、おじいさん、いろりに当たってくだされ。」とねぎらってあげたこのおばあさんの心の優しさ。おじいさんの性格をよく知っているんですね。おじいさんがどんなに心が優しいのか。自分だって帰りに雪に降られてしまうのに、手ぬぐい(この手ぬぐい一枚だって、貧しい老夫婦にはかけがえのない財産であろうに)をお地蔵さんに巻いてあげるような献身的な優しさを持っている夫を、妻はよくわかっているから「おじいさんてば・・・相変わらず困っている人を放っておけないのね。」とほほえましい気持ちで受け入れてあげたんですよね。おじいさんだって、お餅を買ってくると約束しながらそれが果たせなかった上に、すげ笠まで差し上げて来ちゃったわけですから、おばあさんにちょっと言いづらかったかもしれません。でもおじいさんもおじいさんで、おばあさんの性格をわかっているから「約束のお餅を買ってこれなくてごめんね。でもお地蔵さんが寒かったから笠をかぶせてあげたよ。」と思い切って言えたのかも知れません。


それは一文字にしてしまえば、信頼ですよね。


すげ笠をお地蔵さんにかぶせたおじいさんも、それを咎めずにおじいさんの労をねぎらったおばあさんも、同じように魂の美しさを共有している相手なんですね。「類は友を呼ぶ」という私の大好きなことわざがありますが、もしもおじいさんの優しさを「余計なことをして!」と叱りつける奥さんだったら、この夫婦はとてもギスギスしてしまいます。それに、そんなことをいう奥さんだったら、きっとおじいさんはすげ笠をお地蔵さんにかぶせようなんて思わなかったでしょうね。「ここで笠をかけてあげてもカミさんがうるさいだろうな・・・やっぱりやめた。それにこれは今度また町に出ればお金になるかもしれないし。」って思ったのではないかと思います。


もちろんこの「かさこじぞう」は昔話のファンタジーですが、夫婦って似たもの同士が集まるものなんだな・・・と思うところがあったので書かせていただきました。小学校二年生の授業では「夫婦は似たもの同士が集まる」という私の解釈はどこまで扱ってくれるかわかりませんが(笑)。
おじいさんの心優しさはもちろんのこと、妻であるおばあさんの姿勢は物語であったとしても非常に勉強になります。

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志我雨音(しがあまね)
性別:
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