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占い師としての成長日記
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実家に帰っていると、現在の我が家にいるときと、またまったく違った想いが湧き上がってきます。


なぜなら、そこには私の「育ち」の基本があり、私を育んでくれたものがそこかしこに存在しているからです。本棚には私が短大生のときに集めた山田詠美の本が、詩集が、懐かしいカセットテープがまだ置いてあり、一歩外に出れば、幼いころから遊んだ庭が、手伝いをした田んぼが、いつも見つめていた山々が広がります。今日は要らない本を集めて、古本屋に売ってきました。それから押入れの奥から山ほどの手紙、日記帳、それから私の書いたシナリオが出てきました。恥ずかしくて開けられません(笑)。
それから銀行員時代の窓口の営業成績表も・・・名古屋時代の演劇のチラシも・・・。


あのころ大好きだった人、毎日交流していた同期、映画に付き合ってくれた同僚。一生懸命仕事をして銀行になじもうとしていた日々や、出会った多くの人・・・。今、現実に連絡を取り合い、同じようにそばにいてくれる人はほとんどいません。年賀状のやり取りだけです。たくさん語り合い、飲みあった銀行の同期も、現在は大半が退職をして、名前も変わって、もう二度と会うこともできないでしょう。男性の同期はもう課長以上のクラスになっていることでしょう。私をおおらかに見守ってくれた上司はもう退職し第二の人生を歩んでいることでしょう。


あのころ必死になって働いていたころには、こんな未来が来るとは夢にも思わなかった。一緒に働いている人は永遠で、変わるものなどないと思っていた・・・でも、私という登場人物以外はみんなそれぞれのステージに消えていきました。


「自分を好きになる方法」「結婚なんてやめなさい」(すごいタイトル!)中谷彰宏氏の本を買いあさっていた時期もありました。自己啓発系の本を買い、ペンで大事なところに線を引いて、何度も何度もその本を読み返していた自分。本棚にはそのときの私がよく現れています。


その手の本ばかり集めていた頃から15年以上過ぎたわけです。
25歳で東京に出ることになって、私の人生は大きく変わりました。誰も、私自身も東京で過ごすことになるなんて夢にも思って見なかったのです。でも、田舎で銀行員をするという流れが突然断ち切られ、親元を離れてから、私は本当の意味で、自立や、自分の目標と言うものを探し出したと思います。それは今でも続いていますが、東京に出るときはまさか、占いを仕事にする未来があるなんて思っても見なかったですしね。シナリオライターになって銀行を辞めるという野望はありましたが。


田舎にいるときはわからなかった。
山がどんなに美しく、この空がどんなにきれいなのか。
私自身がどんなに恵まれた環境で育ち、幸せな子供だったのか。
数々の想いが私を育み、いつも見守ってくれていたことも。


今、あと二年足らずで40歳になる自分がここにいて思い出を手にしてみると、大事にしていたものが歳月の流れで黄ばみ、独特のにおいを放っていることがすごく不思議でした。月日は流れたんだという実感が、そのにおいを通じてよくわかるのです。私は兄がひとりいますが、実は兄といつ会ったのか、思い出せないくらい会っていないんですね(笑)。記憶の中の兄は、いつも一緒に遊んでいたり、高校生の兄で、元気で活きがいい男の子なのに、家に飾ってある現在の兄の写真は、メタボなおなかを持っているいいおっさんで、兄の周囲にはもう中学生の姪っ子が兄に良く似ていて・・・。自分以外のみんなも、老い始めている・・・。それが幼い頃から知っている人だと、余計に時の流れを感じてしまったりします。


お盆なので、伯父さん叔母さんが家にお棚参りに来ます。そのときも、伯父さんがふらつきながら靴を履いている場面や、叔母さんがおばあちゃんにそっくりになってきたことに驚いたり(そりゃ親子ですから当然でしょうか)伯母さんが、すごく気落ちしているのか(軽い鬱状態?)元気がなくて、びっくりしたり・・・。私にとって「元気の象徴」だった伯父さんたちが、「老いて」いることが、ちょっとショックでした。お盆はなくなった人たちの魂が家に帰ってくるとき。だからこんな風に、「生きて老いる」ということについて考えてしまうのでしょうか。


私は後片付けをしながら母に言いました。
「伯母さん、すっかり暗くなっちゃって・・・年をとったら悩みがなくなるのかと思ったら、そうじゃないんだね。」
「年をとればとったで、それなりに悩みはあるし、楽になることはないよ。」
「えーーーー!!そうなの?!!」
「当たり前でしょう。」
と一笑されました。
「今が一番大変かと思っていたけれど、そうじゃないのか・・・(涙)」


あと20年たてば私だって立派な初老です。
その時私はどんな気持ちで自分を見つめるのでしょう。
その時私は、どんな人とどんなかかわりを持っているのでしょう。
今大事にしているものでも、あと20年たてば「恥ずかしくて見れないわ」というものに変わるのでしょうか。そして、多分親との関わりも変わってくるでしょう。今は「してもらう」ことばかりだけれど・・・。


どんな未来が来るのか、誰も予測はできません。
天災が生じて、無事に未来を迎えられている保障だってありません。無事に老いることができたら、それは幸せなことかもしれませんね。
少なくとも、私はもう「育つ」立場から「育てる」立場にシフトチェンジしなければなりません。ふるさとに来ると、つい甘えてしまいますが、それでも親の代も本格的な老いに入るわけです。数々の想い出は親が私に与えてくれた最高のプレゼント。私はそれを受け取り、東京でまた、力を発揮したいと思います。


思い出にひたる時間が多いので、いろいろ考えちゃいますね。帰省は。

もし何も変わらないものがあるとするなら、南アルプスの美しい稜線、かな?きっとこれだけはずっとずっと変わらないんでしょうね。
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志我雨音(しがあまね)
性別:
女性
職業:
占い師・レイキヒーラー・主婦
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日記をただつれづれなるままに書くだけでなく、自分にも、皆さんにも何かを感じていただけるような文章を作り上げたいと思います。
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